転妻カラス

低収入転妻の苦労、倹約、労使・貧困問題についてぼやくブログ

転妻と仕事のキャリア

今は転妻不適合者と化している転妻も

かつて、転妻を心から楽しんでいた時期があった。

リフォームし立ての賃貸に、二~三年ごとに住みかえ出来るなんて幸せ!

常に新しいご近所、新しいスーパー。すんごい楽しい。

と、素直に思っていた。

引越し前後の荷物関係等には苦労したものの、それは数日で終わる出来事に過ぎなかったし、物の整理は楽しく、達成感も味わえた。

転勤五ヶ所目の土地に住んでいたころまでは。

肉体的にも精神的にもタフで前向きだった転妻カラスから、若さが消え始めたころ。

 

今は九ヶ所目。今では前のように転妻を楽しめなくなってしまった。

五ヶ所目で、ある出来事があったことをきっかけに、転妻のとらえ方が変わってしまったのだ。

そのころ、転妻カラスに人生の転機が訪れていた。十代のころから勉強していた資格を使える職場に勤められることになった。趣味を通じて知り合った友だちの紹介だった。しかも待遇は準社員。初めは転妻だからと断ったが、職員が一人辞めたあと次の人が見付からないからと勧められて働き始めた。

転妻カラスにとって人生最高の職場だった。給与も待遇も人間関係も、すべての点において恵まれていた。

勤め始めるなり重要なポジションを任され、遣り甲斐もあった。

 

転勤を恐れながら数ヶ月がたったころ。

容赦なく鉄槌が下された。

 

転妻カラスはどうしてもその職場を辞めるわけにはいかなかった。気持ちが走り過ぎていたし、あてにされていたし、代わりの人材もおいそれと見つかるものではなかった。

資格が必要だったため、誰でもいいというわけにはいかなかったのだ。

 

当時の家計において、転妻カラスの収入も馬鹿にならなかった。

そこで、無理を押して、転勤先からその職場に遠距離通勤をした。

二年もの間。風邪の日も台風の日も。

 

二年働いて、ようやく気持ちに区切りがつき、代わりの人材も見付かったので、納得して辞めた。

 

あの仕事は、転妻カラスには人生で一度きりの大豊作だった。

あれから二度と、似たような仕事に就く機会はなかった。

 

あのとき、転妻カラスはコツコツと築き上げてきたキャリアを、旦那の会社により剪定鋏でバチッと絶ち切られるような挫折を味わった。

 

転妻は在宅ワーク以外のキャリアを形成してはならないと思い知った。

 

もしも外でキャリアを築くなら、土地が変わってもすぐ新しい職場に就ける場合に限られる。

 

全国に支店がある銀行の職員になり、転勤先でも職場を確保してもらえる、とか、

全国展開しているコンビニやスーパーを狙って働くとか、

ペン習字など? 習いたい人の数が多い技能を身に着けて、全国どこでもすぐ教室の看板があげられるとか。

 

そうでなければ、転妻カラスのように、土地ごとに縁が出来た派遣やパートを渡り歩くしかない。

 

一つの業種で働き続ければ、それも一つのキャリアにはなる。

 

そうは言っても、一つの職場でキャリアが形成出来ないことを、いまも完全に受け入れ切れてはいない。

働かなくて楽に暮らせるだけの給与なら、また違ったかもしれない。

我が家の家計は切りつめていても常に火の車で、旦那も妻の収入を喜んでくれている。

妻も働く気満々。

なのに、はいこれまでと、何度も何度も鋏で断ち切られては、一からの仕事探し。

若ければこれも楽しめるのだが、歳を重ねるごとにいろんなことが、きつい。

 

転妻カラスの転勤数はまだ序の口で、

世の中には二十回くらいの転勤をこなしている家庭もある。

 

いつしか働くことを諦めてしまう転妻も多い。

 

旦那も仕事と転勤にいっぱいいっぱい。

「もう俺は会社を辞める。お前が俺を食わせてくれよ」と、ある転妻友だちが旦那様から言われたらしい。旦那様は鬱気味だったようだ。

友だちは「いいよ。辞めれば」と答えたそうだ。

旦那が会社を辞めたら、私も転妻を辞められる!

私が食べさせたほうが、転妻やるより楽かもしれない、って思いが、彼女の頭をかすめたらしい。

 

でも、転妻たちのキャリアは旦那の転勤で何度となく潰されてきた。

キャリアのない転妻が、あるとき旦那の病気などで家族を養おうと思っても、雇用の門は限りなく狭い。

 

働くことを諦めていた転妻が、ある日家計のためにどうしても働かなくちゃならなくなったとき、これまた言われたくない言葉を面接で聞くことになる。

 

「どうして働かなかったんですか?」

 

働かなかったのではなく、働けなかった。

 

「専業主婦=働かないを選択している」とは限らない。

 

転勤以外にも、専業主婦には、子育てや介護や病気などの諸事情が、いっぱい絡んでいることがある。

働かない=怠けているわけではないが、世間ではいまだにそう思われているふしがある。

 

今は時代も変わった。

転妻歓迎の職場や在宅ワークが、かつてよりは充実しているのかもしれない。

充実していないのなら、今からでも社会が作って欲しいものだ。

転妻は時代とともに少数派ではなくなりつつある。

女性活用と言うのなら、転妻にも光をあてて欲しい。

 

 

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