超短編ノベル・転妻の悲哀
結婚してから六回目の引越しをしている転妻カラスが、夜の十時半に、たった独りで荷ほどきをしていた。 朝八時に引っ越し屋さんが来てから、十二時間以上働きづめなので、手足と腰が痛いのはもちろん、ランナーズハイのような妙な高揚感にも襲われている。 …
結婚してから六回目の引越しをしている転妻カラスが、夜の十時半に、たった独りで荷ほどきをしていた。 朝八時に引っ越し屋さんが来てから、十二時間以上働きづめなので、手足と腰が痛いのはもちろん、ランナーズハイのような妙な高揚感にも襲われている。 …